「ビンボーチョー」に、著者のことを書いたが、ついでに、編集の周辺的なことを書くページをつくることにした。記憶で書くので間違っているところもあるかもしれない。記憶というのは、じぶん(という存在)に都合のいいように改竄されるものだから(べつに意図的にしているわけではないとしても)、その点は許されたい。また、書いたあとでも思い出すことがあれば、補筆していきたい。思い出したところから書いていくつもり。
東京の出版社? と違い、新屋にあった貧乏な秋田文化出版社(以下、秋田文化と略す)、では、著者と飲み歩くというようなことはなかった。小生じしんそんなに飲めないこともあり、また、じぶんでかきたいこともあったので、なるべくそのような時間は、あったとしても、さきたくなかったというのが本音である。
吉田さん(回りの人は朗〈ろう〉さんとよんでいたが、会社内の人は吉田さんとか、とうさんとかよんでいた)の本に、いしやにとうさんえーごはん(正確ではない、148×210でA5判になる)というふうに教えても、小生が無視していたというようなことが書いてある(『いなか出版社の夕暮れは』だったかな)。そんなことがあったのかどうかまるで覚えていないが、吉田さんの文章には、時折、こう書いたら読む人が喜んでくれるだろうと脚色したようなところがあったので、それではないかと。それに、そんな語呂合わせをしなくても覚えられたと思っている。
また、自費出版のまとまったお金が入ると、昼に寿司が出たものであった。